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とてもじゃないが表に置けない痛さ炸裂の雑文をどうにか供養するために設けた墓場のような場所。
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航ちゃん登場前に書いた何かが出てきたのでのっけときます。
時間的にユキタくんがタビと「効率いい別行動」してるとき。







航ちゃん、航ちゃん――
 
親しげに縮めた名前。
幼馴染ですごくすごく大切な人、とこいつは言う。
・・・でもな、よく聞けよ。
経験者は語る。
幼馴染のことなんて(特に年上の方は)なんとも思ってないんだ。
俺がカノコをそのくらいにしか思ってないように。
 
別行動、嬉しいか?
効率よく探せるから。早く見つけたいから。
自分が、早く会いたいから。

俺がいない間にまた路にはまったらどうしよう、とか。
俺がいない時にまた狙われたらどうしよう、とか。
微塵も思わないのかよ、お前。
 
――いや、あたりまえじゃないか。
出会った瞬間から、タビの根っこは微塵も変わっちゃいない。

閉ざされたこの街に現れた時から、ずっとそうだった。
五年前にこの街を出て行った後も、そうだった。
そのもっとずっと前、小学生の時からそうだったんだ。

この街にいようがいまいが、
俺に会おうが会うまいが関係なく
 タビは今も昔も、多分これからも、
ずっとずっとずっと「航ちゃん」で一杯だ。

タビの願いも俺の願いも、繰り返すこの街も
最初から何ひとつ変わっていないはずなのに

なんだ、この嫌な感じ。
 
「航ちゃん」抜きのタビなんてそもそも知らないはずなのに
「航ちゃん」で一杯のタビを見てなんで今さらこんなにイライラするんだろう?
 


俺らが出会って今日までを、あと何千回繰り返したら
俺は追いつけるんだろうか?
ずっとずっと、タビの中で繰り返されている「航ちゃん」の回数に。

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