「それは神父がわざわざ」
「はあ」
「それで私が」
「へー」
「・・・・・・聞いてませんネ」
「ほー」
生返事につぐ生返事。
このうえなく幸せそうにカステラを頬張る少女は、
絶対に今自分の話など聞いちゃいない。
「・・・KILL」
にこにこした顔がとても憎らしく思え、いつものように暴れてやろうかとも思う。
でも、だからといってここで少女から幸せを取り上げたところで、
自分の気持ちが晴れるとも思えない。
悲しむ顔も、喜ぶ顔も、どちらを見てもたぶんもやもやするのに変わりない。
「ハアー・・・ッ」
わざとらしく、長いため息ひとつもらしたところで、
少女の耳にはやはり届いていないだろうな・・・。
そんなことを考えて、またお菓子を作ってやった少年は
自分も一口幸せを頬張ったのだった。
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