テレビの話題で盛り上がる二人が、何故か。
福田ねこと宅間裕一。
互いに「人間」の友達ができたとはしゃいでいる。
テレビ、ラジオ、歌手、タレント、アニメ、漫画・・・・・・飛び交う単語は現代日本の高校生の話題に相応しいモノばかりなのだが、この学校内でそれを理解できる者は一握りしかいないだろう。
それに、この教室には絶対にいない。
自分以外は。
「こういう話ができるっていいね!」
笑顔で語りあう二人を見て、自分は安堵、しているはずだ。
彼女――福田さんにとっては、自分が切り離してしまった人間界のことだから。
こうして少しでも楽しんでくれれば嬉しい。
帰りに喫茶店へ寄り道したり、休日に友達と買い物したり、好きな音楽を聞いたり――今みたいに、男の子とテレビの話題で盛り上がったり。
そんな高校生の当たり前がここでは何ひとつ出来ないから。
これでよかったんだ。
彼女が少しでも、彼のおかげで楽しんでくれるなら。
自分がいなければ、あんなことを思わなければ、
今ごろ当たり前にできていたんだ。
これが、本来の彼女の姿。
――だけど。
笑い合う二人を見ると、胸がざわつくのはどうしてだろう。
自分の知らない所で、彼女が普通の高校生をしている姿を想像すると。
自分の手の届かない場所で、知らない誰かと楽しげに笑っている姿を想像すると。
こんなにも、たまらなくなるのは。
こんな、こんな感情は要らない。
この感情の名前を、僕は知らない。
この期に及んで
一緒の学校の敷地内に居ることを、
同じ教室で机を並べていることを、
噛みしめている自分は、なんて浅ましいのだろう。
宅間裕一のいる場所に
自分がいたらと考えている自分が
君と話してみたいだなんて
思ってしまうこんな自分が
ああ、本当に
大嫌いだ。
福田ねこと宅間裕一。
互いに「人間」の友達ができたとはしゃいでいる。
テレビ、ラジオ、歌手、タレント、アニメ、漫画・・・・・・飛び交う単語は現代日本の高校生の話題に相応しいモノばかりなのだが、この学校内でそれを理解できる者は一握りしかいないだろう。
それに、この教室には絶対にいない。
自分以外は。
「こういう話ができるっていいね!」
笑顔で語りあう二人を見て、自分は安堵、しているはずだ。
彼女――福田さんにとっては、自分が切り離してしまった人間界のことだから。
こうして少しでも楽しんでくれれば嬉しい。
帰りに喫茶店へ寄り道したり、休日に友達と買い物したり、好きな音楽を聞いたり――今みたいに、男の子とテレビの話題で盛り上がったり。
そんな高校生の当たり前がここでは何ひとつ出来ないから。
これでよかったんだ。
彼女が少しでも、彼のおかげで楽しんでくれるなら。
自分がいなければ、あんなことを思わなければ、
今ごろ当たり前にできていたんだ。
これが、本来の彼女の姿。
――だけど。
笑い合う二人を見ると、胸がざわつくのはどうしてだろう。
自分の知らない所で、彼女が普通の高校生をしている姿を想像すると。
自分の手の届かない場所で、知らない誰かと楽しげに笑っている姿を想像すると。
こんなにも、たまらなくなるのは。
こんな、こんな感情は要らない。
この感情の名前を、僕は知らない。
この期に及んで
一緒の学校の敷地内に居ることを、
同じ教室で机を並べていることを、
噛みしめている自分は、なんて浅ましいのだろう。
宅間裕一のいる場所に
自分がいたらと考えている自分が
君と話してみたいだなんて
思ってしまうこんな自分が
ああ、本当に
大嫌いだ。
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